上達のコツ 2026.10.02 榎本翔汰プロ

アイアンの縦距離を揃えるには?プロが実践するラウンド前の準備と3つの確認ポイント

アイアンを構える男性ゴルファーと「アイアンの縦距離 準備から揃える」の見出し

同じアイアンで打っているのに、グリーンに届かなかったり、奥へこぼれたりする。そんな縦距離のばらつきは、打つ瞬間の意識だけでなく、ショットに入るまでの準備から見直してみましょう。

加瀬のシミュレーションゴルフの榎本翔汰プロが大切にしているのは、「1球勝負だと思わないこと」です。朝の練習で自分の状態を確認し、本番を想定した素振りをしてから打つ。その流れまで含めて、一つのショットを作ります。

この記事では、その準備の考え方と、インドアで確認する「ヘッドスピード」「打出し角」「映像で見る捻転量・トップ位置」の3点を解説します。

※画像はイメージです。

アイアンの縦距離は、打つ前の準備から揃える

縦距離とは、目標に対して手前・奥にどのくらい飛ぶかという距離のことです。まず練習では、着地までのキャリーと、転がりを含めたトータル飛距離を分けて確認しましょう。

同じ番手でも、振る速さや当たり方、インパクト時のロフトなどが変われば、ボールの飛び方も変わります。コースでは風や傾斜などの条件も加わるため、距離の違いをすべてスイングのせいにすることはできません。

番手ごとの距離を知ることや、無理のない力感で振ることも大切です。今回、榎本プロが着目するのは、その前提となる「自分の良い状態を知り、同じように打つ準備ができているか」です。

「1球勝負」にしない|朝の練習と素振りを本番につなげる

朝の練習は、その日の自分を知る時間

コースでは「この一球を成功させなければ」と考えがちです。しかし、榎本プロはボールを打つ瞬間だけを切り離して考えません。

ラウンド前の練習で、その日の当たり方や振りやすい感覚を確認する。良いショットが出たときの動きを、本番に持ち込めるように準備します。

ここで役立つのが、普段の練習で把握しておいた自分の基準です。朝の練習場で数値や映像を見られなくても、良いときの振り心地や球の高さを知っていれば、その日の状態と照らし合わせやすくなります。

朝の練習場でアイアンを構える男性ゴルファーと「朝の練習で状態を確認」の見出し

素振りも、実際にボールを打つつもりで行う

榎本プロが大切にしているのは、本番さながらの素振りです。単にクラブを動かすのではなく、これから打つ球を想定して振ります。

朝の練習で確かめた感覚を、ショット前の素振りで呼び戻してから打つ。こう考えると、準備と本番が一続きになります。

「1球勝負だと思わない」とは、打ち直してよいという意味ではありません。朝の練習と直前の素振りまで含めて、その一球を作るという考え方です。

アイアンの素振りをする男性ゴルファーと「素振りから、本番へ。」の見出し

プロが確認する3つのポイント

榎本プロはインドアで、数値とスイング映像を組み合わせて確認します。見る項目を増やしすぎず、まずは次の3点から自分の良い状態を把握しましょう。

① ヘッドスピード|速さの最大値ではなく、自分の基準を見る

ヘッドスピードは、クラブヘッドが動く速さです。榎本プロは、ヘッドがきちんと走っているかを確認する材料にしています。

振り遅れたり、自分の良い動きができていなかったりすると、ヘッドスピードが落ちることがあります。ただし、数値が下がっただけで振り遅れと決めつけるのではなく、当たり方や映像も合わせて見ます。

大切なのは、良いショットを打てたときのヘッドスピードを知り、その状態を繰り返せているかです。最高値を更新しようと力むことが、今回の目的ではありません。

② 打出し角|いつもの球の高さにつながる数値を確認する

打出し角は、ボールがフェースを離れた直後に、水平に対してどのくらい上向きに飛び出すかを示す角度です。

同じ番手でも、インパクト時のフェースの傾きなどによって変わります。榎本プロは、良いショットのときと比べて、打出し角が大きく変わっていないかを確認します。

ヘッドスピードがそろっていても、打出し角がばらついていれば、同じ距離を打てているとは限りません。 キャリーも一緒に見て、数値と結果を結びつけましょう。

打出し角だけを低く、または高くすればよいわけでもありません。クラブやスピン量などとの関係もあるため、自分の良い球が出たときの値を基準にします。

インドアでモニターを見る男性ゴルファーと「自分の基準を知る。」の見出し

③ 捻転量・トップ位置|正面映像で、良いときとの違いを見る

3つ目は数値ではなく映像です。正面から撮影したスイングをトップ位置で止め、必要に応じて基準線を引いて比較します。

見るのは、体のひねりが浅くなっていないか、トップ位置が良いときから変わっていないかです。無理に深くひねったり、トップを大きくしたりすることが目的ではありません。

比較するときは、できるだけ同じ撮影方向・高さにそろえましょう。カメラの位置が違うと、動きが変わったように見えることがあります。

正面の一枚だけで捻転の角度を厳密に測る必要はありません。まずは自分の良い映像を残し、明らかな変化を見つける使い方から始めます。

タブレットを確認する男性ゴルファーと「良いときと比べる。」の見出し

7I・8I・9I・PWの数値は、どう参考にすればよい?

ドライバーのヘッドスピードが同じでも、アイアンの数値が全員同じになるわけではありません。番手名に加え、クラブのロフトや、インパクト時のロフトである「ダイナミックロフト」、スピン量、ミート率、スイング特性によって変わります。

特に同じ7番アイアンでも、モデルや仕様によってロフトが異なります。番手だけで「この角度・この距離が正解」と決めないことが大切です。

次の表は、ドライバーHS40〜42m/s前後の方が、自分の数値を確認する際の参考レンジとして編集部で整理したものです。公開されているツアーデータ等と照合し、速度・打出し角・距離の組み合わせに大きな矛盾がないかを確認しています。対象者全体の平均値や、必ず到達すべき目標値ではありません。

対象の想定:ドライバーHS40〜42m/s前後。HS=ヘッドスピード。距離=キャリー。

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

ドライバーHS40〜42m/s前後を想定した参考レンジ
番手 アイアンHS目安 ボールスピード参考値 打出し角目安 キャリー目安
7I 33〜35m/s 44〜47m/s 17〜20° 135〜145yd
8I 32〜34m/s 42〜45m/s 19〜22° 125〜135yd
9I 31〜33m/s 40〜43m/s 22〜25° 110〜125yd
PW 29〜32m/s 37〜41m/s 25〜29° 95〜110yd

この表は、数値を見る際の参考レンジです。TrackMan等のメーカー公式理想値や、当施設の会員データの統計ではありません。範囲外だから悪いショットとは限らず、各列の上限・下限を自由に組み合わせて同じキャリーが出るという意味でもありません。特にキャリーはスピン量・ボール・計測条件でも変わるため、範囲を外れてもまず自分のクラブと当たり方を確認してください。

ボールスピードは、飛び出したボールの速さを示す参考値です。今回の確認の中心は、あくまでヘッドスピード・打出し角・映像で見る捻転量とトップ位置です。

数値と映像を使って「自分の基準」を作る

表の数字に合わせることより、自分が良いショットを打てたとき、どんな数値と動きになっているかを知ることを優先しましょう。

練習では、次のように整理すると振り返りやすくなります。

  1. 同じクラブ・なるべく同じ計測条件で打つ。
  2. 狙った方向と距離に運べ、当たりも良かったショットのヘッドスピード・打出し角・キャリーを記録する。
  3. そのショットの正面映像を残し、トップ位置を確認する。
  4. 別のショットと比べ、数値と動きのどこが変わったかを見る。

一球だけの最高記録より、良い当たりを何球か続けたときの範囲を基準にすると、普段の自分と比較しやすくなります。一方で、ミスの結果も残しておくと、コースで起こりやすいショートやオーバーを把握する材料になります。

数値が変わった理由を、自分だけで特定できないこともあります。その場合は、数値を無理に戻そうとする前に、映像と一緒にプロへ相談してみてください。

各データの意味を詳しく知りたい方は、シミュレーションゴルフの数値の見方も参考にしてください。

まとめ|良い状態を確認し、準備ごと再現する

アイアンの縦距離を揃えるために、榎本プロは打つ瞬間だけでなく、朝の練習と本番を想定した素振りを大切にしています。

普段の練習では、ヘッドスピード・打出し角・捻転量とトップ位置を確認し、自分の良い状態を把握する。その感覚を朝の練習で確かめ、直前の素振りからショットへつなげましょう。

アイアンの縦距離に関するよくある質問

Q. 朝の練習場で数値を測れない場合は、どうすればよいですか?

普段の練習で良い状態の数値や映像を確認し、そのときの振り心地も覚えておきましょう。朝は当たり方や球の高さなどを手がかりに状態を確認します。練習場のボールや風などでも飛距離は変わるため、見た目の距離だけで番手の基準を変えないようにします。

Q. 飛距離が落ちたら、ヘッドスピードを上げればよいですか?

まずは良いときとの差を確認します。ヘッドスピードに加え、当たり方や打出し角、トップ位置などが変わっている場合もあります。原因を見ずに強く振るより、数値と映像を合わせて確認しましょう。

Q. シュミレーションゴルフでもコースにつながる練習はできますか?

シミュレーションゴルフでは、自分の数値と映像を確認しながら基準を作れます。毎球、目標を決めて素振りから打つ流れを練習すると、準備の習慣も作りやすくなります。実際のコースでは、芝や傾斜、風などの条件も合わせて判断します。

男性インストラクターと受講者が画面を確認するイメージと「数値と映像を味方に。」の見出し

自分の数値と動きを、プロと一緒に確認しませんか?

「良い球は出るのに続かない」「数値を見ても、どこを直すべきか分からない」。そんな方は、一度プロと一緒にスイングを確認してみてください。

横浜市鶴見区・駒岡エリアにある加瀬のシミュレーションゴルフは、月額制のインドアゴルフ施設です。シミュレーターの数値やスイング映像を活用し、一人ひとりのスイングと課題に合わせてプロが個別に指導します。

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「ろくなな golf channel」の関連動画では、ラウンド前の準備や本番を想定した素振り、数値・正面映像の確認方法を実演しています。動きや画面での確認は動画、数値の使い方の整理はこの記事と、合わせてご活用ください。

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この記事を書いた人
榎本翔汰プロ

加瀬のシミュレーションゴルフ所属レッスンプロ 湘南学院高校・神奈川大学のゴルフ部で主将・副主将を歴任。 自身の経験から「体格に頼らず、工夫で飛ばす(300yd超)」ノウハウを確立。初心者の方でも退屈せず、アプローチやパターをゲーム感覚で楽しく学べる丁寧なレッスンが人気です。

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